金魚が黒くなって死んだ原因は?黒斑病との違いと残った魚への対処

金魚が黒くなって死んだ原因は?黒斑病との違いと残った魚への対処

金魚の体やヒレが黒くなり、その後に死んでしまうと、「黒い部分が病気だったの?」「ほかの金魚も危ない?」と心配になりますよね。まず押さえたいのは、黒くなった見た目だけでは、死亡原因を決められないということです。

黒斑病には病気から回復する途中で現れるものがあります。一方、水質悪化や酸欠、急な水質・水温の変化は死亡につながる場合があります。黒い部分の意味と、命に関わる不調を分けて、残った金魚の様子と水槽環境を見直していきましょう。

この記事のポイント
  • 黒くなった見た目だけでは決められない死亡原因
  • 黒斑病・黒ソブの経過と食欲・活動性の違い
  • 残った金魚の呼吸・泳ぎ方と水質の確認
  • 急な全交換や一律の薬浴を避ける判断条件
目次

金魚が黒くなって死んだ原因をどう考える?

黒くなったことと死亡原因は分けて考える

黒くなったことと死亡原因は分けて考える

「黒くなってから死んだ」という経過があっても、それだけで黒い斑点が死因だったとは言えません。金魚を扱う伊藤養魚場の解説では、黒斑病は白雲病が治ったあとに感染部位が黒くなり、体力の回復とともに消えていくものとして説明されています。

ただし、この説明を「黒くなれば必ず回復している」と受け取るのも早計です。獣医師監修のPECOの黒斑病解説では、黒い範囲が減らずに広がる場合、白雲病の病原虫が完全に駆除できていない可能性も挙げています。黒い色が出たあとも、不調が続いていたかどうかが大切です。

日本動物薬品も、観賞魚では合併症や複合感染が珍しくなく、複数の病原体によって複数の症状が出るケースがあると案内しています。黒変という一つの変化だけで説明しようとせず、食欲、泳ぎ方、呼吸の様子、水換え前後の経過まで合わせて振り返る必要があります。

黒斑病・黒ソブは、現れ方と経過に注目する

黒斑病と黒ソブは、どちらも体やヒレが黒くなるため混同されやすいものです。伊藤養魚場では両者を別のものとして扱っています。次の表は同養魚場の説明を整理したものですが、見た目から病名を確定するための表ではありません。

比べる点黒斑病黒ソブ
説明されている経過白雲病が治ったあとに感染部位が黒くなる水温が低下する時期、濃い青水や悪い水質下で現れる
黒い部分の現れ方ヒレや体表が墨のように黒くなる淡い黒い斑点や黒い線が現れ、尾先・腹部・肉瘤などに出る
食欲・活動性若干落ちる場合はあるが、静止するような状態とはされていない食欲や活動性は正常と説明されている
その後の経過体力の回復とともに黒い部位が消える春になると自然に軽快する場合がほとんどとされる

この違いから見ると、黒い部分があっても食べて泳いでいる状態と、底で動かず食べなくなった状態は、同じようには扱えません。黒ソブの説明に食欲・活動性が正常という条件があるからこそ、弱った金魚を「黒ソブだから大丈夫」と片づけないことが大切です。

また、白雲病は体表に白い雲のようなものが現れる病気として説明されています。黒くなる前に白いもやのようなものがあったか、体調が戻っていたかは、経過を考える手がかり。ただし、白いものが見えたという記憶だけで、白雲病だったと断定することはできません。

水質悪化と急な水換えは、別々の死亡要因になる

水質悪化と急な水換えは、別々の死亡要因になる

黒変の理由とは別に、死亡原因として振り返りたいのが水質です。ジェックスによると、食べ残しやフンを放置すると、分解によってアンモニアが発生し、ろ過バクテリアによって亜硝酸になります。どちらも金魚に有害で、中毒症状によって死亡する可能性があります。

餌の与えすぎは、食べ残しだけでなく排泄物の増加にもつながります。そのため、「残った餌は見えなかった」というだけでは、与えすぎの可能性を除けません。足し水だけで管理していた、水換えの間隔が長かった、餌の量が増えていた場合は、水質悪化に関わる管理を見直す手がかりになります。

一方、水をきれいにしようとして一度に大量の水を換えたことも、別の問題につながり得ます。ジェックスは、急な水質変化によるショックを「pHショック」と説明し、大量の水換えや不十分な水合わせを主な原因として挙げています。水温の急変もストレスとなり、突然死につながる場合があります。

つまり、水換えを長くしていなかった場合と、水換え直後から調子を崩した場合では、振り返る点が違います。前者では汚れや有害物質の蓄積、後者では交換量、水合わせ、新旧の水温差が手がかりです。どちらも黒い色だけでは判別できず、死亡までの経過との照合が必要になります。

水面で口を動かしていたら、酸欠とエラの不調を考える

死ぬ前に水面で口をパクパクさせていた場合は、酸欠の可能性があります。ジェックスは、魚が多い過密状態の水槽では酸素不足が起こりやすいと説明しています。

黒い部分ばかりに目が向いていた場合も、呼吸の様子や飼育数を振り返ってみてください。

ただし、水面で口を動かす「鼻上げ」は、単に水槽の酸素が足りないときだけの症状ではありません。日本動物薬品は、エラに寄生を受けたり、機能が低下して酸欠になったりするときにも見られると案内しています。エアレーションの有無と、魚の病気は分けて考える必要があります。

同社の原虫病の解説では、粘液の過剰分泌、体表の白化、充血、餌を食べないこと、異常な泳ぎ方、体をこすりつける行動が挙げられています。特にエラへ大量に寄生されると衰弱して死亡し、虫体の判別には顕微鏡が必要とされています。黒い斑点の名前が分かっても、こうした不調まで説明できるとは限りません。

金魚が黒くなって死んだあと、残った金魚を守る対応

死亡した魚を取り出し、残った魚の呼吸と動きを見る

死亡した金魚が水槽に残っているなら、取り出します。テトラを扱うスペクトラム ブランズ ジャパンは、生き物の死骸を見つけたときは、すぐに取り出して腐敗などによる水質悪化を防ぐよう案内しています。そのうえで、残った金魚に普段と違う様子がないか見ていきましょう。

残った金魚の様子判断の手がかり
水面で口をパクパクする酸欠の可能性。エラの寄生や機能低下でも見られる
底に沈んで動きが鈍い・ふらふら泳ぐ体調不良のサインだが、多くの病気で見られる
激しく泳ぐことを繰り返すアンモニア・亜硝酸中毒や寄生虫感染などの可能性
餌を食べないストレス、病気、不適切な水温などの可能性
体を底などにこすりつけるキョーリンが挙げる病気のサインの一つ

水面で口を動かしている場合、ジェックスはエアレーションで酸素を取り込む対応を勧めています。治療用の隔離水槽については、キョーリンも酸欠に注意し、強い水流にならないようエアレーションすることを案内しています。

ただ、鼻上げにエラの病気が関わる場合もあるため、酸素を供給したことだけで治療が済んだとは考えないでください。

黒い部分のある魚だけでなく、同じ水槽の魚全体を見ます。色の変化、群れから離れる行動、食欲、泳ぎ方を合わせて観察することが、病気の早期発見につながります。元気に食べて泳いでいる魚と、不調を示している魚を、黒い模様の有無だけでひとまとめにしないことが大切です。

アンモニア・亜硝酸を調べ、急変を避けて水を換える

アンモニア・亜硝酸を調べ、急変を避けて水を換える

水質を調べるときは、アンモニアと亜硝酸をセットで確認するのがポイントです。スペクトラム ブランズ ジャパンは、亜硝酸塩がアンモニアの分解によってできる成分であることから、両方の測定を勧めています。検査用品を選ぶ際も、何を測れるものなのかを確かめましょう。

測定してアンモニアや亜硝酸塩が高ければ、同社は速やかな水換えを案内しています。一方、大量に換えると、急な水質変化についていけず魚がショック状態になる場合もあると注意しています。有害物質を減らす必要と、水質を急変させない配慮の両方が必要です。

金魚向けのジェックスの水換え案内では、通常は全体の約3分の1、極端に水質が悪くなっている場合でも交換量を約2分の1としています。この案内に沿うなら、死亡を見つけたという理由だけで、残った金魚のいる水槽を一度に全交換する対応にはしません。

  1. 作業前に、感電防止のためヒーターやポンプなどの電化製品のコンセントを抜きます。
  2. カルキを抜いた交換用の水を用意します。
  3. 水換えホースなどで水を吸い出し、底やガラス面のゴミも取り除きます。
  4. 温度計で確認し、交換用の水温を飼育水に合わせます。
  5. 新しい水を少しずつ、ゆっくり入れます。

水換え量の案内には違いがあります。キョーリンは、餌に集まらないなどの不調時に3分の2の交換を案内する一方、ジェックスは金魚の水換えで約2分の1までとしています。ここでは上のジェックスの方法を示していますが、どんな不調にも同じ交換量が最適だと保証するものではありません。

通常の管理と、病気を対象にした治療の案内を混ぜないようにしましょう。

塩浴・薬浴は黒い色だけで決めず、症状に合わせる

黒い部分を早く消したくなっても、それだけを理由に薬浴を始める必要があるとは限りません。伊藤養魚場は、黒斑病について基本的に治療の必要はないとしつつ、全身へ広がる場合などは別に扱っています。PECOの解説も、白雲病の治癒過程に現れる黒斑病では特に治療を必要としない、という条件つきです。

反対に、食べない、体をこする、粘液が増えるなどの症状がある場合は、黒い色を消すことより、残っている病気を考える場面です。キョーリンは病気を確認したら症状に合わせて薬を選ぶよう案内しています。

日本動物薬品も、キロドネラ症・イクチオボド症・トリコジナ症では一部の色素剤が有効とされ、0.5%の塩水浴の併用も効果的としています。

この0.5%という数字は、原虫病に対する案内であり、「黒くなった金魚はすべてこの濃度で治る」という意味ではありません。また、虫体の判別は顕微鏡でなければ難しいとされています。病気が未確定のまま、黒斑病や黒ソブという名前から薬の種類・量を決めないことが重要です。

塩浴・薬浴を行う場合、キョーリンはシンプルな隔離水槽を勧めています。飼育水槽へ直接入れると、ろ過バクテリアへの影響、水草が枯れることによる水質悪化、薬に弱い魚種やエビへのダメージなどが予想されるためです。同じ水槽の魚をまとめて治療する前に、こうした同居生体への影響も考える必要があります。

魚病薬は添付文書を読み、用法・用量を守って使います。水温を上げる対応にも条件があり、キョーリンは約16℃以下では大きな温度変化に耐えられない可能性があるため、温めずに治療したほうがよい場合もあるとしています。黒変を見つけたら加温する、という一律の対応にはしないでください。

再発予防は水換えの条件・餌の量・毎日の観察から

再発予防は水換えの条件・餌の量・毎日の観察から

日常の水換えは、日数だけを固定するより、水槽の条件も合わせて考えます。ジェックスが示す基本は2週間に1回、約3分の1の交換ですが、季節、水槽の大きさ、設備によって頻度は変わります。初めて金魚を飼う人には、餌の与えすぎや水質の不安定さを考慮し、1週間に1回、約2分の1〜3分の1の交換を案内しています。

金魚の数が多いほど排泄物が増え、水質悪化が速くなります。特に、ろ過フィルターがなく金魚が多い場合には、毎日の水換えが必要なこともあるとされています。「2週間に1回していたから水質は問題ない」とは限りません。飼育数や設備を変えたときは、それまでの間隔をそのまま当てはめないようにします。

餌については、食べ残しの有無に加えて、与える量そのものを見直します。ジェックスの目安は、5cm程度の小さな金魚なら1分以内、大きい金魚なら5分程度で食べきれる量を、1日に数回へ分けて与えること。酸化した餌も水質悪化や消化不良につながるため、消費期限内のものを使うよう案内しています。

毎日の観察では、水の透明感、底にたまったゴミ、食べ残し、魚の動きを見ます。魚の側では、食欲、群れから離れていないか、鼻上げやいつもと違う泳ぎ方がないかがポイントです。黒い色が出るまで待たず、普段との違いに気づくことが、不調を早く捉える手がかりになります。

金魚が黒くなって死んだ原因と対応のまとめ

この記事のまとめです。

  • 黒くなってから死亡しても、黒い斑点が死因だったとは断定できません
  • 黒斑病は白雲病の回復過程で現れることがありますが、広がる場合には病原虫が残る可能性もあります
  • 黒ソブは低水温期などに現れ、食欲・活動性が正常と説明されるため、衰弱した魚を同じように扱わないことが大切です
  • 死亡原因を考える際は、有害なアンモニア・亜硝酸の蓄積と、急な水質・水温の変化を分けて振り返ります
  • 水面で口を動かす鼻上げは、酸素不足だけでなくエラの寄生や機能低下でも見られます
  • 死亡した魚は取り出し、残った魚の呼吸、泳ぎ方、食欲、体をこする行動などを観察します
  • アンモニアと亜硝酸はセットで測定し、高い場合は急な大量交換に注意しながら水を換えます
  • 交換用の水はカルキを抜き、水温を合わせてゆっくり入れます。交換量の案内には資料による違いがあります
  • 塩浴・薬浴は黒い色だけで決めず、症状と対象の病気に合わせ、魚病薬の用法・用量を守ります
  • 再発予防では、飼育数・設備に合った水換え、餌の量、毎日の観察を見直します
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