メダカの卵の育て方|採卵・水換え・孵化までの日数と稚魚のお世話

メダカの卵の育て方|採卵・水換え・孵化までの日数と稚魚のお世話

メダカの卵を見つけると、うれしい反面「このままで孵る?」「水はどうすればいい?」と迷いますよね。まず行いたいのは、卵を親メダカから分けることです。親は卵や生まれたばかりの稚魚を食べてしまうため、産卵床ごと別容器に移して孵化を待つ方法があります。

その後の管理は、卵の発育に合わせて水を整え、白く濁った卵や水カビを観察し、孵化後の餌と住まいを準備する流れです。孵化は水温25℃程度なら約1週間〜10日が一つの目安。日数だけで成否を決めず、水温と卵の中の変化を一緒に見ていきましょう。

この記事のポイント
  • 産卵床ごと親から分ける採卵の基本
  • 卵の発育に合わせた水と水換えの管理
  • 水温別の孵化日数と白い卵の見分け方
  • 孵化後の初めての餌と稚魚の住まい
目次

メダカの卵の育て方|採卵から孵化までの基本

卵を見つけたら、産卵床ごと親から分ける

卵を見つけたら、産卵床ごと親から分ける

初めてなら、水草や産卵床に産み付けられた卵を、付いているものごと移す方法から始められます。メスは産卵後しばらくお腹に卵を付けて泳ぎ、その後、水草などに体を擦り付けて卵を残します。お腹に卵が見えていても、必ずその場で手で外さなければならないわけではありません。

採卵には、メスから直接採る方法と、産み付けた後に回収する方法があります。新高滝観魚園は、直接採卵には親を特定できる利点がある一方、網ですくったり体に触れたりするストレスがあると説明しています。親の組み合わせを厳密に管理する目的がなければ、まずは産卵床への産み付けを待つ方法を選べます。

ただし、その間に卵が食べられたり、回収しきれなかったりすることはあります。

移し先は、親が卵に届かない別容器を用意します。カミハタの繁殖案内でも、産卵床に卵が付いていることを確かめたら、そのまま他の容器へ移す手順です。孵化してから慌てて隔離するより、卵の段階で住まいを分けておく流れにしましょう。

容器には採卵日を残しておくと、後で経過を追えます。九州大学のヒメダカ飼育手順でも、回収した卵に採卵日などを表示しています。ただし、以前から産卵床に付いていた卵では、見つけた日と産まれた日が同じとは限りません。「見つけてから何日か」だけで孵化予定を決めないことも大切です。

水道水は使える?卵の発育に合わせてカルキを抜く

卵の初期に水道水を使う管理方法はありますが、孵化後までそのまま使い続ける方法ではありません。九州大学水産生物環境学研究室のヒメダカの手順では、最初の2〜3日間は水道水を用い、約3日経過後、眼ができた段階から塩素を除いた水に切り替えています。

卵の段階九州大学のヒメダカ飼育手順で使う水水換えの目安
最初の2〜3日間水道水朝・夕の1日2回
約3日経過後、眼の形成後脱塩素水。原文では汲み置きの飼育水1日1回。研究室の手順では土日は休みでもよいとする

※シャーレで卵を管理する研究室の手順です。すべての容器に同じ回数・方法を当てはめる基準ではありません。

ここで押さえたいのは、「卵ならカルキ抜きは不要」と一括りにしないことです。すでに眼が見える卵は、この手順では脱塩素水を使う段階に入っています。ジェックスも、塩素を中和しない水道水による管理には、稚魚への影響が気になると説明しています。

孵化直前まで水道水を使う前提にせず、発育を見ながら切り替えましょう。

孵化後に使う水はカルキを抜きます。キョーリンの稚魚の水換え案内でも、新しい水を入れた後にカルキを抜く手順です。また、ジェックスは稚魚の移動時に元の飼育水と温度をそろえ、水合わせを行うよう案内しています。卵用の水を考えるときから、生まれた稚魚を受け入れる水も準備しておきましょう。

水換えでは水を清潔に保ち、傷んだ卵を取り除く

水換えでは水を清潔に保ち、傷んだ卵を取り除く

卵の水換えは、水カビなどが発生しないように行います。前の表のように、九州大学では水カビが発生しやすい最初の数日は回数を多くし、眼の形成後は回数と使う水を変えています。日数だけでなく、眼ができているかも見るのが、この手順のポイントです。

同研究室のシャーレ管理では、駒込ピペットで容器内の水を抜き、きれいな水を入れる作業を3回ほど繰り返します。また、水換えのたびに死亡した卵を取り除きます。

これは卵だけを小さな容器で扱う方法なので、稚魚が泳ぎ始めた容器の水換えとは分けて考えてください。

産卵床ごと管理する場合にも、卵の観察は欠かせません。ジェックスは、無精卵に発生したカビが有精卵へ広がることがあると説明しています。水だけを交換して終わらず、白く濁った卵やカビが付いた卵が混じっていないかを見ます。卵を親から隔離した後も、孵化まで放置せず、水と卵の両方を見ていきましょう。

孵化はいつ?25℃で約1週間〜10日を目安にする

水温25℃程度なら、まず約1週間〜10日を目安に観察しましょう。九州大学のヒメダカの手順はおおよそ7〜10日、ジェックスは25℃で約10日と案内しています。キョーリンの一般的な繁殖案内では孵化日数を9〜14日間としており、水温が高いほど早く生まれると説明しています。

どれも、決まった日に必ず孵るという意味ではありません。

水温による違いを考える目安が「積算温度」です。ジェックスは、孵化までのおおまかな日数を考える温度指標として紹介し、メダカは250℃と言われていると説明しています。同社の例では、水温20℃なら孵化が始まるのは12〜13日。25℃の例だけを見て、10日たったら失敗と決める必要はありません。

置き場所を決めるときは、明るさだけでなく水温も見ます。ジェックスは、日陰へ移して孵化までの日数がかかりすぎると、有精卵がだめになることがあると説明しています。一方、新高滝観魚園は、小さな容器で卵を管理する際に高温へ注意するよう案内しています。

「早く孵したいから、できるだけ暑い場所へ」とは考えないでください。

孵化後も屋外で育てるなら、夏の日中の水温確認が必要です。ジェックスは稚魚の屋外飼育で、暑い時期には日除けなどによる水温調整を案内しています。日光の当たる場所に置くことと、高温を放置することは別。卵を置いた時点だけでなく、稚魚が生まれた後も同じ場所で管理できるかを見ておきましょう。

メダカの卵の育て方|白い卵・孵化しない悩みと稚魚の管理

白く濁った卵やカビを見つけたらどうする?

白い卵が混じっていても、すべての卵がだめになったと考える必要はありません。新高滝観魚園の見分け方では、有精卵は透明で弾力があり、無精卵は白く濁っていて触ると割れると説明されています。観察では、まず透明感と白い濁りの違いに注目します。

白く濁った無精卵をそのまま置くと、カビや水質悪化につながるため、同園は見つけ次第取り除くことを勧めています。九州大学の管理手順でも、死亡した卵は水換えのたびに除去します。白い濁りやカビのある卵を見つけたら、元気な卵と一緒に放置しないことが基本です。

取り除く理由は、見た目をきれいにするためだけではありません。ジェックスによると、無精卵はカビが発生しやすく、そのカビが有精卵にまで広がることがあります。白い卵が一つ見つかったときには、その卵への対応と、周囲の卵にカビが広がっていないかの観察を行います。

カビ対策として薬品を使う例もありますが、ジェックスはメチレンブルーなどによる水草への影響にも触れています。まず行うお世話は、発育段階に合う水換えと傷んだ卵の除去です。

薬品を入れれば他の管理を省ける、という考え方にはしないようにしましょう。

孵化しないときは、経過日数・水温・卵の変化を見る

孵化しないときは、経過日数・水温・卵の変化を見る

予定した日になっても孵らないと、何かしてあげたくなりますよね。そんなときは、孵化の目安にした水温と、実際の水温を照らし合わせます。25℃で約10日という例を、20℃の容器にもそのまま当てはめていないでしょうか。低い水温では孵化まで長くかかるため、日数だけでは判断できません。

見る点判断の手がかり
水温と経過日数ジェックスの例では25℃で約10日、20℃で12〜13日で孵化開始
卵の中の変化発育すると体ができ、孵化が近づくと中で回る様子が見られる
白い濁りやカビ無精卵や死亡した卵を分け、周囲へのカビの広がりも見る
日付の記録採卵日を手がかりにし、卵の発育と併せて経過を見る

新高滝観魚園は、最初は透明な卵の中に徐々に体ができ、孵化が近づくと中でくるっと回るようになると説明しています。見たいのは「まだ殻の中にいるか」だけでなく、こうした発育の変化です。孵化日数には幅があるので、透明な卵が予定日を過ぎたという理由だけで、白く濁った卵と同じ扱いにはしません。

孵化したら、最初の餌はいつ・何を与える?

生まれた直後のメダカは、お腹にある「ヨークサック」という袋の栄養を使います。ジェックスは、その袋がなくなる3日目あたりから餌を与えると説明しています。キョーリンの3Lプラケースでの育て方では、給餌開始は孵化後3〜4日。最初の餌を準備し、この時期には食べる様子を見ていきましょう。

ただし、日数には説明の幅があります。カミハタは最初の1〜2日はヨークサックの栄養を消費し、餌を食べるようになったら細かい人工飼料などを与えると案内しています。「丸3日間は、状態にかかわらず餌を与えない」という固定的なルールではなく、お腹の袋と摂餌の様子も見るのが大切です。

餌は小さな口で食べられるパウダー状のものを使います。ジェックスは、成魚用の餌でも細かくすりつぶして与えられると説明しています。毎回すりつぶすのが難しければ、稚魚用の細かな餌が便利です。大きな粒をそのまま入れるより、まず食べられる大きさにすることを優先しましょう。

回数は、少量をこまめに。キョーリンの3Lプラケースの例では1日3〜5回、ジェックスでは食べきれる量を1日4回程度に分けるのが目安です。一度に多く入れるのではなく、稚魚が食べる様子に合わせます。キョーリンは同じ飼育例で、給餌5分後に食べ残しやゴミを大きなスポイトで吸い取る手順も示しています。

稚魚の移動と水換え、親と一緒にする時期

稚魚の移動と水換え、親と一緒にする時期

親のいる水槽で孵化した場合は、稚魚を別容器へ移します。移す際には、元の飼育水と移し先の水の温度をそろえ、水合わせを行います。ジェックスは、レンゲやお玉、ボウルなどを使い、水と一緒に移動させる方法も紹介しています。小さな体を扱うので、網ですくう場合も慎重に行いましょう。

容器は、孵化した数だけでなく、その後の成長も考えて管理します。キョーリンの3Lプラケースの例は約20匹までが目安です。ジェックスは、水量が少なすぎると餌や排泄物で水が悪化しやすいこと、成長して過密になった場合は分けて飼うことを案内しています。

小さな容器で孵化できたからといって、育った後も同じ数を入れ続けないようにします。

稚魚の水換えの一例として、キョーリンは3Lプラケースで毎日コップ2杯の水面の水を交換し、週1回はケース内側のぬめりを取る方法を示しています。これは3L容器での案内で、卵を入れたシャーレや大きな屋外容器の交換量ではありません。

卵の時期の水換え方法をそのまま続けず、孵化後の飼育条件に合った管理へ切り替えます。

親と一緒にする時期は、経過日数だけで決めません。ジェックスの目安は、最低でも体長1cm以上で、頭がよく育ち逆三角形になっていること。同じ時期に孵化しても大きさに差が出て、大きな稚魚が小さな稚魚を食べたり、くわえたりする場合があります。成長差が目立ってきたら、同じくらいの大きさで分けて育てます。

さらに、生後2か月ほどになると稚魚でも卵を食べることがあると、ジェックスは説明しています。新しく採った卵を育った稚魚の容器へ次々と足すのではなく、卵と成長した稚魚も分けましょう。親から卵を守るところから始め、育ち具合に合わせて住まいを分けることが、その後のお世話につながります。

メダカの卵の育て方まとめ

この記事のまとめです。

  • 卵や稚魚が親に食べられないよう、産卵床ごと別容器へ移す
  • 採卵日を残し、日数と卵の発育を一緒に観察する
  • 九州大学のヒメダカの手順では、初期は水道水を使い、約3日後の眼の形成後から脱塩素水へ切り替える
  • 水換えの回数や方法は容器と発育段階を区別し、死亡した卵も取り除く
  • 25℃で約1週間〜10日が孵化の一つの目安。20℃では12〜13日という案内もある
  • 白く濁った無精卵やカビを放置せず、周囲の卵への広がりも見る
  • 孵化しないときは、予定日だけで判断せず水温と卵の中の変化を確かめる
  • 初給餌は孵化後3日前後という案内を目安に、ヨークサックと食べる様子も見て判断する
  • 稚魚には細かな餌を少量ずつこまめに与え、食べ残しを管理する
  • 稚魚は水温をそろえて慎重に移動し、親との同居は最低1cm以上と頭の発育を目安にする
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